砂漠にゴミをまくと植物が生えてきて緑化できるって知ってましたか?
アフリカのサハラ砂漠の片隅でそんな実践をしている日本人がいます。
すごいですね~いったいどういうしくみでゴミから植物が育つんでしょう。
とっても気になりますよね。。。
ゴミで砂漠を緑化するしくみについて子供にもわかりやすくご紹介します♪
1・サハラ砂漠にゴミをまくってどういうこと?
緑化する実践がされてる砂漠の場所はアフリカのサハラ砂漠の南端
ニジェールという国にあります。
ゴミを砂漠にまいて緑化するということは何らかの種がゴミに混ざってたのかな?
と、最初そのニュースを聞いたときに思いました。
これは誰でも思いつくことですよね><
私たちの日常ではスイカとかメロンとか果物の種や
野菜だとカボチャの種とかは生ゴミとして捨てますよね?
根っこの残ってるカイワレとかネギとかも再生できそうな?
そういうゴミの中から芽が出て草木として育っていったと考えるのが自然です。
でもゴミって生ゴミ以外にもビニールとかプラスティックとか
自然界に悪そうなものもたくさん含んでます><
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うちの地域のゴミ分別のイメージ(笑
それとも生ゴミだけチョイスして捨てるのかな?
と、いろんな疑問がむくむくと湧いてきました!
でも!こちらの緑化実践のレポを読むと。。。
そんな単純なことではないのがわかっておもしろいです♪
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上記のニジェール支所便りには2016年7月号から砂漠にゴミをまく実践
「都市のゴミを緑化に使う」という活動について記載されてます。
2・ゴミで砂漠が緑化されるしくみとは?
さて、興味深々なサハラ砂漠をゴミで緑化する方法とは?
ゴミで植物を育てる過程を簡単に書くと以下の通り。。。
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ゴミを5~10㎝ほどの厚さにならす。
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雨季(6月~10月)に雨が降る。
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ゴミによって地中にシロアリの餌となる有機物が増える。
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シロアリが飛来して地中に巣(コロニー)を作る。
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シロアリが地中に無数のトンネルを作ってくれる。
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地中のコロニーのトンネルに雨水が浸透して土地の保水力が高まる。
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草木が芽吹き、保水力のある地面のおかげで枯れることなく成長できる
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生えてきた草木の管理をする。
簡単に説明するとこういう経緯になるんですけど
いちいち疑問が浮かんできますよね(笑
以下、自分でも思った疑問の部分について説明してみます♪
砂漠なのに雨が降るの?
砂漠って聞くとエジプトの広々と続く砂の砂漠を思い浮かべますよね。
草木や水があるのはオアシスだけ。。。みたいな。
このニジェールという国は大半が乾燥地帯に入ってますが
緑化の実践をしているのはニジェールの南端の地域。
その地域は乾燥地帯の中でも雨季と乾季に分かれた気候のステップ気候にあたります。
ステップ気候のイメージとしてはこんな感じでしょうか。。。
雨季があるので草木もちらっとは生える的な?
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たぶんまったくの雨季のない砂漠気候だと植物の育成は難しいでしょうね。
また土壌の改良に役立つシロアリも生息することができません。
雨季があっても自然に植物が育たないのはなぜ?
雨季があるといっても近年は砂漠化が進んでたりします。
雨季があっても降雨量は自然任せですし、近くに大きな川があったとしても
水を畑に届ける人工的な設備(灌漑設備)も整ってません。
そういう場所では簡単に土地が干上がってしまって作物が取れなくなりがちです。
また、少し草木が生えたとしても牧畜などが食べっぱなしでその後のケアがなかったり
それを繰り返してるうちに草木も生えない荒廃した土地になってしまうらしいです。
ゴミに含まれるビニールやプラスティックは大丈夫なの?
ここは私もいちばん疑問に思いました!
実はビニールやプラスティックも緑化に役立ってるんですよ!
でもどうやって!?
ビニールやプラスティックを砂漠の表面を覆うように設置することによって
雨などの水分の蒸発を防ぐ役割を持たせてるんです。。。
とはいっても強風が吹くとビニールは軽いから飛んでしまいます><
風に吹き飛ばされるのを防ぐためにゴミを馴らしながら
ゴミの砂によってビニールが飛ばないようにカバーしていくんです。
地表をビニールで覆うというのは普通の農業でも見かけます。
たとえばいちご狩りに行くといちごの育ってる地面てビニールに覆われてますよね。
マルチングといって作物の生えてる地面をビニールで覆うことは
作物の傷みや病害虫を防いだり、いろんな良いことがあるんですけど
乾燥地帯においては、地面の中の水分蒸発を防ぐことができ
水分が土の中に保たれるので地面が固くなることを防ぐんです。
う~~~ん、なるほど><
ただし、あまりにも大量な場合はやはり支障も出てきます。
その場合は熊手などを使ってフチにビニールだけ片寄せたりもするようです。
ゴミには有害物質は入ってないの?
工場からのゴミだとそういう有害物質の心配もあるでしょうけど
こちらの実践で使われてるゴミは住人達の日常生活によるゴミなので
新鮮な?ゴミを使えばそういう重金属などの有害物質の心配はないとのこと。
ゴミの中になぜ種が入ってるの?
また住人のゴミといっても日本の普通のゴミとは違います。
砂漠の気候から吹き寄せられる砂ぼこりのゴミが大半。
その砂ぼこりの中にいろんな種が入ってるとか。
その中に含まれる種はどっから来たのかというと。。。
- 周辺で育てられてる穀物の種が自然に落下したもの
- 家畜の食べ残した穀物
- 未消化の種が含まれた家畜の糞が乾燥して砂ぼこりに混じる。。。!
家畜の糞の中の種も再利用!><
放牧されている家畜が穀物を食べて糞をする。
糞には穀物の種も含まれていて乾燥して空中に飛ばされる流れ。。。(汗
命は巡るってわけですね。。。
シロアリの巣作りが土を耕す結果になる?
シロアリって日本だと家の木の部分を食べてしまう害虫のイメージですよね。
シロアリが見つかったら即駆除の対象です><
ところが砂漠地域においてはシロアリが土壌の改良に役立つという発見がされてます。
シロアリが地中に作る巨大な巣(コロニー)のおかげでできた無数の穴が
土を耕す結果となり、優れた保水力を発揮するのです。
ホントに何が幸いするのかわかりませんね!
こちらにもそういう論文が発表されたというニュースが。。。
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なるほどね~シロアリでも場所が違えば役立つアリなんですね。
日本でいうところのミミズみたいなもんでしょうか!?
3・砂漠にゴミをまいて緑化する日本人とは?
さて、このサハラ砂漠の緑化の実践をされているのは。。。
上記の「国際協力機構ニジェール支所便り」にも出てきてますが
京都大学アフリカ地域研究資料センターの大山修一准教授という方です。
ニジェールという国は紛争地帯とも無関係ではなく完璧に安心して暮らせる地域ではありません。
また、ゴミをまく土地の確保にあたっては環境省からの反対にあったり
農耕民と牧畜民との争いごとがあったりと一筋縄ではいかなかったりする中
信念をもって現地の人々と協力しあいながら荒廃地の緑化をすすめてるんですね。
簡単に砂漠を緑地化するといっても
単に植栽を大掛かりにすすめれば解決する問題でないことがわかります。
お金だけかけて植栽をしても土壌が変わってないと一時的な緑化に終わってしまうこと。
現地の暮らしにあった植物を植えないと真に生活の助けにならないことなど。
単に緑が増えればいいわけではないんですね。
現地で暮らしてる住民から手に入るゴミには
現地で役立つ植物の情報がたくさん詰まってるんです。
動物のうんちの中の種が自然に戻って新たな命が芽生えるように
人間の出すゴミが自然に戻され役立つという素敵な実践のお話でした。
サハラ砂漠にゴミをまいて緑化するしくみとは?まとめ
単にゴミが無用の長物だから再利用できたらいいってこと?
と、単純に思ってしまって恥ずかしいです><
現地のゴミの利用には深い意味がありました。
まさに生命のリサイクルしてるってことですね。
読んでいただきありがとうございました♪